▮ 職能等級と教育制度
住友電工の職能等級は、専門職→専門職2級→専門職1級→基幹職補→主査→主席→主幹→経営職、と昇進するシステムになっており、主査以下が組合員。組合員は横並びで主席以上は年棒制となる。主席以上は管理職であり、評価によっては百万円単位の給与差がある。
良くも悪くも年功序列の会社なので昇進スピードにはそこまで差がなく、30代後半で課長に昇進するかしないかという時期までは基本的に横並びの人事制度。40代以降に徐々に選抜が行われる。
主席や課長クラスには誰でも大概なれるが、経営職になれるかが出世コースの大きな分かれ目となっている。経営職になれば部門長から子会社経営者を歴任し、そこで実績を残した優秀な社員が本社・住友電工の役員に選任される。
▮ 出世と学歴
学歴重視の社風の為、採用大学はたいてい偏差値の高い旧帝大や一橋大か早慶。当然、トップも超高学歴の社員が就任するため、それ以下の大学だと出世競争には弱い。もちろん学歴の弱い社員でも上位役職へ昇進していく優秀な社員はいるが、関関同立程度の学歴では、相当努力しないと上級職へ上がるのは難しい(採用数も多くない)。そして上位管理職になっても「本社」に残れるのはごくわずかで、結局は東京大学、京都大学出身者が本社に多くなる。但し、財閥系としては、学閥があまり感じられず、役職者も「さん」付けで呼んでいる風通しのよい組織だと言える。
メーカーなので生産技術部が最も出世しやすい。研究開発にも東大出身者を筆頭としたエース級の人材が配属されるため出世が早い。文系では、営業部門が最も出世しやすく、難局に対する突破力が要求される。
▮ 異動
部署をまたぐ異動は少なく、どちらかというと同じ部門に残る可能性が高い。特に理系は各事業部に配属になると、事業部内で異動しながら一個の製品・技術に特化して知識を身に付ける事になる。そのため、希望通りの配属先でなかった場合にモチベーションが下がる傾向が強い。業務上のスキルは身に付くが、あくまで社内でのスキルにとどまり、他の仕事でどこまで活かすことのできるスキルかは疑問。
仕事ができない管理職は若いうちに住友電装などの子会社に左遷される。住友電装は住友電工と異なり、強引な仕事運びをするブラック企業な一面があるため、出向した社員は専門外の仕事を押し付けられ、やめていく人が多いと聞く。
うつ病等で一時的に休職した場合は、緩い部署へ異動することがほとんどで、ある意味人材を大事にしている。また、社内では人事異動があるときに寄せ書きを送りあう部署もあり、家族的な雰囲気がある。
▮ 充実の研修制度
必修研修及び選択研修を含めて多彩な研修が自前の研修センターで設けられているが、業務に直接役立つ研修は少ない。キャリア開発、スキルアップを図るためには外部研修を積極的に利用する必要がある。社内の自主的な勉強会は活発にあるようだか、大阪や東京がメインで、それ以外の勤務の場合は参加したくとも開催していない。
▮ 人事評価制度
人事評価制度は期末の行動評価と業績評価で次年度の給与が決まるオーソドックスな制度。評価者は直属の上司によるものだけで、360度評価などは行われていない。年初に立てた目標に対する達成度合いにより評価が決まるが、目標の達成/未達成で評価が変わることはほぼ無く、基本的には年功序列で昇給・昇進していくシステムになっている。よって、隣にいる先輩が余程ダメな社員であっても抜くことはできない。課長クラスまで2年差があるかどうか、といったところ。大多数は同時に昇進する。つまり評価はあってないようなものである。
▮ 昇進試験
新卒で入社した場合、入社7、8年目までは小論文(昇進論文)と面接による昇進審査があり、合格すると職級が上がっていくが、落ちた話は聞いたことが無い。ただし、試験結果にはグレードがあり、後々に何らかの人事評価で使われている可能性はあるので、気を抜かない方が良いだろう。
▮ 留学制度
海外のビジネススクールに留学する制度がある。留学後に一定の勤務期間を義務付けられてはいるが、給与を支給されての留学なので、大変人気のある制度となっている。それ以外にも、資格や英会話などの様々な自己啓発制度が充実しているため、意欲さえあればメーカーでグローバルに活躍する礎となる部分を習得することができる。
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